③ 夫婦再構築ストーリー
菜々子さんには先ず、ご実家のお母様と話をしていただきました。
菜々子さんには初めて本心から
「お母さんはいつも私に対してダメ出しばかりしてきて辛かったの!
私はお母さんが理想とする娘じゃない!
お母さんの所有物じゃないのよ!
今もこうやって旦那の浮気が辛いって話しているのに、お母さんはさっきから
「こうしてみたら?」
「もっと主婦らしくしなさい!」
そんな話ばかりで、私の孤独や辛い気持ちを少しも分かってくれないじゃない!」
そこまで話て菜々子さんは、お母さんの態度や言動が自分とソックリであることに気付いたそうです。
私は、家族が癒される家庭を作りたい!
家族の心を大切にする行き方を選びたい!
と誓ったそうです。
その日をキッカケに菜々子さんはインナーチャイルドや愛着障害のカウンセリングに熱心に取り組み、
親子関係を見直す事を続けました。
職場以外の友達も増え菜々子さんは段々に笑顔を取り戻しました。
人との交流や人からの優しさが菜々子さんに愛情ホルモンを分泌させたのも良い変化のキッカケとなりました。
子供達に対してもイライラがなくなり、少しくらいの事では怒りは湧かなくなりました。
「小春も小雪もお母さんの自慢の娘よ!」
そう話している姿を見ていたご主人は、段々と一家団欒に加わるようになり、子供達が眠った後は夫婦で他愛ない会話をするようになり、
菜々子さんは益々、穏やかで大らかな主婦になってゆきました。
それでも菜々子さんは不安が全く失くなった訳ではないので、心理カウンセリングやメンタルトレーニングを繰り返し、
子供達やご主人の前では感情的に泣いたり怒ったりを抑えていました。
深夜、寂しくて一人で泣いてしまう日も多々ありました。
ある日の事
深夜、リビングで涙ぐんでいる菜々子さんに気付いたご主人は
菜々子さんを抱きしめて
「疲れて逃げ出したかったのは菜々子も同じだったんだよね。
今までは心配ばかり掛けて本当にごめん。
娘達も最近はスッカリ穏やかになってきたよね。
最近は早く帰宅したいな!って心から思えるんだ。」
菜々子さんはただただ泣きながら頷き
「私は貴女に 辛い とか 寂し とすら言えなかったわ。
言ったとしても、それは私の要求が通らない時に持論を押し付けての事だったの。
今はわかるわ。
貴方が私を負担に感じた理由が。
私は自分が満たされる事しか考えていなかった。
貴方は子供達の幸せを考えてくれていたのに。
貴方の幸せを願う気持ちが無かった私の方こそ謝らなきゃいけないわ。」
この日、菜々子さんは自分の母親との冷え切った関係性や
自分自身は暖かい家庭を築きたいからご主人にサポートして欲しいと言う事や
ご主人のどんなところを尊敬し、感謝していたかを言葉にして伝えました。
ご主人は
「これからは辛い時は甘えて欲しい。何が辛いのかを教えて欲しい。」
と、言ってくれました。
続く